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フィンエアー ヘルシンキ/ワルシャワ線 地上&機内サービス

2017年に入ってから乗る機会が一番多い、フィンエアーヘルシンキ(HEL)-ワルシャワ(WAW)線についてまとめて紹介します。

ヘルシンキ空港ラウンジ

22番ゲート付近のフィンエアーラウンジが利用できる。他の人のブログがたくさんあるので今は詳しく書きません。

ワルシャワ空港ラウンジ

ショパン空港にはシェンゲン圏内のエリアだけで3箇所のラウンジがある。1つ目はこの空港をハブとするLOTポーランド航空運営のPolonezラウンジ。ここはスターアライアンスの航空会社専用。2つ目と3つ目はいずれも空港会社運営のFantazjaとPreludiumという名前のラウンジ。フィンエアー搭乗の場合は、ワンワールドのステータスメンバーが前者、一般のビジネスクラス利用者が後者を指定される模様。Fantazjaでは、ホットミールとしてメイン2~3品、スープ、温野菜などが提供される。コールドミールもターキー、スモークサーモン、チーズなど飲む人にとっては嬉しいセレクション。ピエロギ(ポーランドの餃子)やコトレットなどの地元料理を意識したメニューが多い。ちなみに、LOTも含めた3つのラウンジすべて、ケータリング業者が共通のようで、どこのラウンジでも食べ物・飲み物の種類は少しの品数の差はあれど、中身があんまり変わることはない*1

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路線の特徴

オペレーションは全便ともリージョナル担当の子会社NoRRA。機体は欧州の空港ではどこでも見かけるEmbraer 190(E90)。2x2のアブレストのナローボディ。あまり面白味はないけれど、快適で安心して乗れる機材。ただ一つ残念なことがある。Airbus A320やBoeing 737のような3x3の機材の場合、欧州域内線のビジネスクラスでは、座席自体はエコノミークラスと同じとはいえ、真ん中の席をブロックしてくれるので、通路側でも窓側の席でも隣に人が来ない状態でゆったりくつろぐことができる。それに対してもともと2列のE90はブロックされないため、もし満席のときは目的地に着くまで窮屈な思いをしなければいけない。この場合、ビジネスとエコノミーの機内サービスの差は、ホットミール&アルコールを含むドリンクがサーブされるかどうかの違いでしかなくなる。

似たような状況にあるのが北欧三国のフラッグキャリアスカンジナビア航空。こちらもCPH-WAW線にアサインされるFokker 50という機材だと、同じような窮屈さの問題が起こり得る。ただSASの場合、欧州域内線ではビジネスの設定がなくて、上級クラスはSAS PLUS」、つまりエコノミーエクストラとしての位置づけ。メインディッシュも加温せず、紙製のボックスに入ったサラダ仕立てのコールドミールがメインになる。

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(上の写真はいずれも2016年にSAS PLUSに搭乗したときの機内食。魚/鶏+サラダ+マヨ系のソースが基本だった。あんまりお金をかけていないことが伺えるけれど、オリエンタルテイストを加えたりと努力の跡は見られる。)

さらにフィンエアーは、欧州域内線のビジネスについてはルフトハンザやSASのようなディスカウント販売をしないので、初めからビジネスに乗ろうと考えたら、正規運賃かそれに近い金額を支払うことになる*2。その一方で、北欧圏内のアップグレードで必要なフィンエアープラスのポイントは、わずか7500ポイント。3月上旬なんてキャンペーンのおかげで5000ポイントまで値下がりしていた。有償運賃と比較したり、通常の特典航空券が最低でも片道12000ポイント必要なことを思えば、かなりお値打ちの特典。わざわざビジネスのチケットを買ってまでは乗ろうと思わない反面、ポイントの使い道としては十分役に立つのだ。

機内サービス

ビジネスクラスはホットミールの機内食が提供され*3シャンパン、白ワイン、赤ワインなどのアルコール含めたすべての飲み物が無料。おしぼりはクルーの気分で出てくるときと出てこないときがある。機内食のレパートリーはだいたい肉料理、しかもまったりとしたドミグラスソースやグレービーソースの煮込み+山盛りのマッシュポテト+野菜の組み合わせが基本。ごくまれに魚も出るけど、頻度はあまり期待できない。

エコノミークラスでは水(炭酸あり/なし)、コーヒー、紅茶、ブルーベリージュースは無料。「Sky Bistro」サービスでサンドイッチ、スナック、スイーツやアルコール、ソフトドリンクが購入できる。機内食の事前予約サービスは対象外。

(とりあえずメモ書き程度でご容赦ください。後で補充していきます。)



2017/03/19 AY743 機内食

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鶏胸肉のグレービーソース、スライスポテト、インゲン
(3/5と同じ。)

2017/03/18 AY746 機内食

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ミートボールのリンゴンベリーソース(?)、チーズマッシュポテト、インゲン&ニンジン
(3/3と同じ。)

2017/03/05 AY743 機内食

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鶏胸肉のグレービーソース、スライスポテト、インゲン
(これも美味しいです。)

2017/03/03 AY744 機内食

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ミートボールのリンゴンベリーソース(?)、チーズマッシュポテト、インゲン&ニンジン
(美味しいです、普通に。)

2017/01/15 AY743 機内食

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謎の肉、ハーブマッシュポテト、ほうれん草のソテー。
(もはや離乳食になっている。)

2017/01/06 AY746 機内食

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謎の肉、ハーブマッシュポテト、温野菜。
(この肉がパサパサしてマズイ。牛すね肉のようでもあり、トナカイ肉のようでもあり。ポテトも熱しすぎで液化してるし。)

2017/01/03 AY743 機内食

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白身魚のバターソース、ハーブマッシュポテト、ジャガイモ&ニンジン。
(シーフードは嬉しい!だけどなぜイモが被る?)

2016/12/30 AY746 機内食

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ハンバーグドミグラスソース、チーズマッシュポテト、温野菜。
(鉄壁のコンビネーション、AYミールの基本形。)

*1:LOT Polonezラウンジにはプレミアムエリアという長距離線乗客専用に仕切られた区画があり、そこはまだ訪問したことがないのでどうなっているかはわからない。

*2:エコノミーの乗客向けに、空席状況に応じてアップグレードのオファーやオークションが提供されるときもある。

*3:メインは他の欧州域内線共通で、前菜がないバージョン。

正真正銘のロストバゲージに遭って、補償を申請した話

フライト欠航と補償にまつわる話に続く、旅のトラブルシリーズ。去年、荷物が行方不明になる正真正銘のロストバゲージ(ロスバゲ)に遭遇。これも記憶が薄れないうちにメモしておこう。
kurukkuu.hatenadiary.com

荷物が出てこない!

話はまた1年前の2016年1月まで遡る。日本への出張を終えてポーランドへと戻るときに事が起きた。羽田空港からロンドン・ヒースロー空港まではANA、さらにLOTポーランド航空とのコードシェア便に乗り継いでワルシャワ空港に飛ぶという旅程。

NH211         HND LHR 1140 1520
NH6721(LO280) LHR WAW 1750 2120

東京からは全部で3つの手荷物をワルシャワまでスルーチェックインしていた。上着や本、PC関連のアクセサリーなどを詰めたスーツケース1個、食料品満載のダンボール箱1個、それから仕事の資料や肌着、毛布などを入れたボストンバッグ1個。

スムーズに入国審査を通過し、バゲージクレームで荷物が出てくるのを待つ。ワルシャワショパン空港の3社あるハンドリング業者の中でも、LOTを担当している会社は優秀で、プライオリティタグが付いている荷物をきちんと優先して出してくれる。スーツケースとダンボールは早々と回収成功。なのに残りのボストンバッグが出てこない。そのうちに「Last Bag」というメッセージがディスプレイに表示され、カルーセルは止まってしまった。

バゲージカウンターへ

ワルシャワ空港には、税関前のバゲージクレームフロアにハンドリング業者別に分かれたオフィスが並んでいて、そこで荷物に関するトラブルを受け付けてくれる。私はカートを押しながら、LOTのロゴマークが掲示されているカウンターへと向かった。この時間は到着便も少なく、バゲージクレームのフロアはがらんとしている。ロスバゲに遭ったのはどうやら私1人のようだった。

受付の荷物が見当たらないことを告げると、以下の書類を出すように言われた。

  • eチケット
  • 搭乗券
  • バゲージクレームタグ

それから書類を手渡される。個人情報と連絡先、それから荷物の特徴を写真で分類したリストみたいなものが備え付けてあって、そこから一番近い見かけのバッグの番号と色を選ぶ。ボストンバッグの外見にぴったり合うサンプルは無かったから、念のため脇に「Boston bag」と文字でも添えておく。書類を記入している間に、携帯電話とトランシーバーで各地点のスタッフに連絡して、他のカルーセルやバックヤードに同じ外見の荷物が残っていないかどうか念のため確認してくれている様子。

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記入が終わると、その場で内容をデータベースに登録して、「Property Irregularity Report」という書類を発行してくれる。海外旅行保険を申請するにしても、航空会社に補償を請求するにしても、後々この書類はロスバゲの証拠として重要になってくる。

結局ボストンバッグは空港内に見当たらず、捜索の進展があり次第連絡してくれることになった。ロスバゲ自体初めて経験する私、がっかりしながら家に帰る。ボストンバッグに高価なものは入っていなかったが、衣類と仕事のメモを記したノートが数冊入っていた。本当だったらスーツケースに入れるはずだったのに、宅配便で空港に送った後だったため、取り急ぎ手元にあったボストンバッグに詰め込んだのだ。それがないと仕事ができないわけではないけれど、今までの記録が全部無くなってしまうのは痛い。

便りを待つ日々

ロスバゲに遭った荷物はWorldTracerという航空会社共通のデータベースに登録される。捜索の進捗がある毎にDBは更新され、web上でもチェックすることが可能だ。毎日アクセスしていたものの、残念ながら数日の間に情報が更新されることは無かった。

https://en.wikipedia.org/wiki/WorldTraceren.wikipedia.org

そして、肌着と日用品が無くなった荷物に入ったままだったので、街のショッピングモールのH&Mで一揃い購入。それからドラッグストアのRossmannで、ハブラシ、ハミガキ、シャンプー、コンディショナーなども調達。当座必要な日用品の購入費用については後で返還されるので、レシートは忘れずに取っておかないといけない。

集中捜索、始まる

ワルシャワに戻ってから、つまり荷物が消えてから5日が経った。今まで何にも音沙汰がないので、こちらからアクションを取ることにする。ここでロスバゲを受け持つのは、最後に荷物の輸送を引き受けた航空会社。私のケースではLOTポーランド航空になる。たいていの大手航空会社のwebサイトには荷物のトラブルについての案内があり、担当部署の連絡先もそこに書いてある。LOTの場合はメールアドレスがあったので、個人情報と「Property Irregularity Report」のレファレンス番号を添えてメールを送ってみることにした。
http://www.lot.com/pl/en/problems-with-baggagewww.lot.com

さほど待たないうちに返事があり、「集中捜索(Extensive tracing)を開始するから、「Baggage Inventory Form」という書類に詳細を記入して送ってほしい」とのこと。どこかで耳にした話によると、ロスバゲに遭っても荷物の9割以上は5日以内に発見されるのだそう。つまりそれ以上の期間が経つと荷物が発見される確率はガクンと減り、航空会社も本腰を入れて捜索する必要に迫られる。5日間経っても吉報のないこと。それが「集中捜索」を開始するトリガーになるのだろう。

早速「Baggage Inventory Form」に以下の内容を書いて、スキャンしたPDFをメールで送る。


  • 連絡先、フライト情報
  • バッグに関する情報(特徴、ブランド、価格、購入日、チェックインした空港、最後に目撃した場所など)
  • 中身に関する情報(特徴、ブランド、価格、購入日)

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その後も毎日WorldTracerで進展がないかを確認したものの、手がかりは何も得られなかった。

最終宣告

30日後、そのメールは突然やってきた。

残念ながら本日時点で荷物が見つからなかったことをご報告します。
あなたの書類は担当部署に転送され、補償の手続きを開始します。

半ばあきらめていたとはいえ、最終宣告を受けるとやっぱり気を落とすもの。その数日後にクレーム担当部署からのメールが届く。そこには「補償はモントリオール条約にしたがって、被害を証明できた金額の範囲内で支払われること。金額を証明する領収書やレシートを提出しなければならないこと。」が記載されていた。やれやれ、荷物が無くなったうえにここからまた一仕事ですか。でもこれをやらなければお金を取り戻すこともできないし、と重い腰を上げ、手元にレシートが残ってないか調べてみることにする。

交渉のはじまり

肌着のいくつかについてはMUJIユニクロのネット通販で買った記録があり、購入確認メールを提出すれば証明できそう。クレジットカードの利用明細を証拠として添えることもできる。

それに対して、1年前に買ったブランケットのレシートなんてもうどこかに捨ててしまって見つからない。ボストンバッグだって、奮発して買ったArtisan & Artistのバッグだったけれど、領収書の保管場所なんて思い出せないし。無いものは無い、といさぎよくあきらめて、以下の書類を準備した。


  • [購入記録あり] ネット通販の領収書 + クレジットカード明細書のコピー
  • [購入記録なし] webで現在の価格を調べて記入
  • [こちらで買った肌着&トイレタリー] レシートのコピー



提出は資料をスキャンして、メールで送ればOK。そして送るときに

まさか無くなるとは思ってなかったからレシートなんて保管してなかった。だけど考慮してもらえるとうれしいな。

とダメモトで一言付け加えておく。

数日経ってまた返事。今度は、「ごめん。資料が日本語で書いてあってよくわからない。悪いけど、英語で説明を付け加えてもらえる?」という依頼。(そんなの自分の会社の日本支社にやってもらえばいいんじゃないの?と)若干イラっとしながらも、明細書をスキャンしたPDFに英語のコメントを一つずつ付け加えていく作業を終え、すぐに返送する。その後も「Baggage Inventory Formと明細の値段が違うけど、どうして?」とか細かいツッコミが入ったりと、何度かやり取りをする羽目になった。

運命の結果発表

そして荷物が消えてからほぼ2か月が経った、2016年3月22日、ついに補償金額の確定について連絡が入る。

  • 明細のあるもの+当座しのぎで買った肌着&日用品は、明細の額面を100%補償します。
  • そして明細がないものについても自己申告の50%補償します。

さすがに明細がないものまで返金されると期待してなかったので、この通知は予想外の嬉しさだった。1年近く前に買ったバッグや毛布の代金が50%も返ってくるだから、十分御の字だ。ただ、一番の損失は仕事のメモ、それこそノート代が返ってきても何の足しにもならないのだから…。

受取方法は銀行振込が一般的な模様。ポーランド国内に銀行口座がある私は、航空会社のシステムにアクセスして自分の口座番号を登録。数日後にはもう振り込まれていた。

以上が私の初ロスバゲの顛末記。もう二度と起こらないことを願うばかり…。

ロスバゲから身を守るために
  • 荷物には名前と連絡先を書いたタグを付けておく。
  • 仕事の資料など取り返しのきかない大事なものは、機内持ち込みにする。
  • ロスバゲの評判のある空港での乗り継ぎはできるだけ避ける(今回はヒースロー空港)。
そして万が一起こっても泣き寝入りしないために
  • 海外旅行保険による補償が受けられるかまず確認。
  • 旅行保険が効かない時でも航空会社と粘り強く交渉。
  • 荷物の中に何が入っているか思い出せるようにしておく。
  • レシートはスキャンコピーでもいいからできるだけ保管しておく(ネット通販だとメールで控えが残っているので探しやすい)。

[Visited on: 2016/01/30-2016/03/22]
[Published on: 2017/03/20]

週末オスロ、ムンクとコーヒーに溺れたい・振替便は?まだまだ旅ははじまらない

前回からの続き。

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金曜日にヘルシンキに向かうはずが、フィンエアーのフライトがストライキで欠航が決まってしまい、コンタクトを試みるもレスポンスがなく寝てしまった。

翌朝起きてtwitterをチェックしてみるも、まだ返事はなかった。交渉に備えて、先に代替便の空席があるかどうかをチェックしておく。フィンエアーのwebサイトで調べると、翌日、3月18日土曜日の昼便には、ラスト1つだけ空席があった。かなり値上がりしているので、予約クラスが低い私の航空券から変更可能かどうかは確証がないものの、振り替えられるか交渉してみる価値はありそう。

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カスタマーサービスのスタッフの能力は千差万別。こちらが感心してしまうほどのcustomer-orientedの提案をしてくれることもあれば、プロフェッショナルとして必要な知識の無さにがっかりしてしまうときもある。そのうえ、こんな緊急事態では、より有利な条件を求めて交渉に時間をかけてもたいていの場合はうまくいかない(クレーマーのようにゴネてもいい結果は生まれない)。私が好むのは、できるだけ先にリサーチしておいて、こちらがベストかつリーズナブルだと考える解決案を先に提示し、それが実現可能かどうかを相手に確かめてもらうという方法。これが一番確実かつ手っ取り早い。

振替便はなんとか確保できそうだ。けれど航空券は水物、いつ売り切れてしまうかわからない。それに備えて、もう一つ「保険」を掛けておくことにする。HEL-OSLの片道の空席状況をGoogle Flightsで検索。検索結果のトップに表示されたのは、ライアンエアースカンジナビア航空LCCのライアンは、ワルシャワから少し離れた郊外のノヴィ・ドヴォル・マゾヴィエツキ市というところにある、モドリン空港を拠点にしているのでパス。もうひとつ、北欧三国のフラッグキャリアSASは土曜の朝イチ出発なので週末の時間をフルに使えて、値段も593 pln(ポーランドズウォティ、約17000円)とまあまあ手頃。もしフィンエアーの予約を土曜日に変更できなければキャンセルしてしまい、この片道切符を購入してオスロまで行こう、と心に決める*1

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そして会社に出勤したころ、ようやくtwitterにリプが届いていた。


ハイ!詳細確認するからDMを送って。

オーケー!と喜び勇んで即座にtwitterから予約記録と変更希望の便を送信するが、ランチタイムになってもまだ返事がない。せっかちで待つことが嫌いな私、今度はフィンエアーのwebサイトのチャット画面を使ってコンタクトを試みる。いつも混雑しているチャットだけど、今日は10分弱でセッションがスタートしたのでラッキーだったかもしれない。

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担当のお姉さん(姉): ハイ!ご用件はなんですか?
:明日のストライキで欠航になった便を振り替えてもらえますか?予約記録は…(略)
:オーケー。金曜日の昼の便はどうですか?
:それだと都合が悪くて。土曜日の昼の便も空いてるみたいだけど可能ですか?
:問題ありません。eチケットはすぐメールで送っておきますね。

というスムーズな流れで、ものの5分にて無事に再予約が完了。eチケットも即座に送られてきた。もちろん事前に下調べした効果もあったかもしれないけれど、何よりも手際よく処理してくれた有能なスタッフに感謝!

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ようやくフライトが確定したので、スケジュールを見直してみる。フライトが土曜日に変わったので、金曜にヘルシンキで泊まる予定のホテルはキャンセルしておく。で、ここで気が付く。やばっ、美術館に行く時間が無くなってしまった。



【スケジュール】 18 - 19 March 2017

1日目 AY746 WAW HEL 1305 1545 x/ AY659 HEL OSL 1645 1715
(泊)オスロ
2日目 AY656 OSL HEL 1315 1540 x/ AY743 HEL WAW 1840 1925


オスロに夕方到着して、翌日の昼過ぎには出発。空港と市内間の移動を考えると、日曜の午前中に美術館を訪問することは難しいだろう。これではまるで、ただ飛行機に乗るためだけにオスロに行くみたいじゃない?まさに修行そのもの。鉄道でも、バスでも、飛行機でも、乗り物に乗ることは大好きなのでこんな旅程になろうと楽しみだし、全然苦にはならない。でも、せっかく異国に行くのだから、現地での行動もしたい。「オスロの美術館に行ってムンクを観る」という当初の目的が叶えられなくなった今、この20時間の滞在でどれだけおもしろいことができるか、これから下調べを始めなければ…。

まだまだ旅ははじまらない。

[Published on: 2017/03/19]

*1:本来の単純な往復航空券であれば往路の放棄はもちろんNG。だけど今回は往路と復路を別々の旅程で手配したので、往路だけをキャンセルしても問題がなかった。

週末オスロ、ムンクとコーヒーに溺れたい・欠航決定!まだ旅ははじまらない

前回の記事の終わりで心配していたことが現実のものになる。

kurukkuu.hatenadiary.com

2017年3月15日(水)の現地時間19時すぎ、3月17日にヘルシンキ・ヴァンター空港でのストライキが決行されることを受けて、フィンエアーは同日に運航する大半のフライトの欠航を決めた。欠航する便数は先週とほぼ同じ規模で、100便近く。その中には私が予約したAY743も含まれている。この第一報を私はtwitterで目にして知ることになった。

リンク先の説明によると、リストに掲載されている欠航便を予約していた人は以下のアクションをとる必要があるようだ。

1) finnair.comの予約確認にアクセスして、代替便が手配されているかを確認。連絡先は最新のものにしておいて。
2) もし代替便のルートがOKなら、そのまま新しい方の予約にしたがってチェックインしてね。
3) 都合が悪い場合は、フィンエアーカスタマーサービスに連絡してね。
4) もし代替便が表示されていなければちょっと待ってて。何千人ものお客様の予約を変更するのに時間がかかるから。
5) 4月9日までの期間で日付を変更することもできる。
6) 代替便が見つからないときは、日付変更するか払い戻しを申請してね。

実はこの前日から少し悪い予感がしていた。フィンエアーのwebサイトで搭乗予定のフライトを検索すると、ビジネスもエコノミーも満席で選択できなくなっている。いままでの経験上、金曜夕方のWAW-HEL便が満席になるなんてめったにアリエナイ。何か理由があって、そう、ストライキが起きるのを予想していて、わざと全部の座席をブロックしてチケットを売らない魂胆が隠れているような気がした。

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予約確認をチェックしてみたものの、今のところ何も変化がない。せっかちで待つのが嫌いな私、twitterカスタマーサービスへコンタクトを試みることに。

…返事がない。タダノシカバネノヨウダ。とはいえ考えてみれば、twitterの中の人たちは現在進行形でみんなの予約変更で手いっぱいなわけで、リアクションする暇がないのも仕方ない(かどうかはわからないが、そう願う)。朝7時からの仕事の疲れでこれ以上あれこれ考えるのが億劫になった私は、今日はとりあえず布団に入って眠ることにした。

まだ旅ははじまらない。

[Published on: 2017/03/18]

週末オスロ、ムンクとコーヒーに溺れたい・プロローグ

【スケジュール】 17 - 19 March 2017

0日目 AY744 WAW HEL 1850 2135
(泊)ヴァンター 
1日目 AY655 HEL OSL 0830 0900
(泊)オスロ
2日目 AY656 OSL HEL 1315 1540 x/ AY743 HEL WAW 1850 1925


まえがき

前回オスロに飛んだのは2016年12月。そのときも例に漏れず、1泊2日で駆け足の旅行だった。ちょうどクリスマスシーズンが始まったその街に入ると、少し郊外のビュグディ半島(Bygdøy)にある民俗博物館をバスで訪ね、家族連れで賑わうクリスマスマーケットでノルウェーのクリスマス文化に親しんだり、野外の舞台で子供たちが演じるダンスを見て楽しんだり。市内も少し散歩して、おしゃれなカフェや雑貨屋が立ち並ぶグリューネルロッカ地区(Grünerløkka)をうろうろしたりもした。

でも、オスロの観光で外せないものといえばやっぱりノルウェーが世界に誇る近代画家、エドヴァルド・ムンクのコレクション。ただでさえ日照時間の短い冬、自由に動ける日中の貴重な時間を考慮すると、どうしても美術館を訪れることは時間的に難しかったとはいえ、後ろ髪を引かれる思いで後にした。

北欧にも春の萌しが徐々に感じられそうな3月。今回の週末旅行の行き先を選ぶにあたって、前回の心残りだったミュージアム見学、中でもオスロ国立美術館ムンク美術館にターゲットを当ててみることにした。昔から更新を楽しみに読んでいる旅行記『旅の恥は掻き捨て?』のpeteruさんのように、ムンクが眠る墓地の訪問まではさすがに叶わないかもしれないけれどストックホルム王立美術館も改装中で入れない今年、北欧でも屈指のこの2つのアートコレクションを観に行く意味はありそうだ。

それからコーヒー文化の盛んなオスロだもの。疲れた足を休めるために、カフェでシナモンロールとドリップコーヒーを注文して本(実際はKindleだけど)を片手に長居したり、自家焙煎のコーヒー屋さんで、ストックが残り少なくなったコーヒー豆もじっくり選んで買って帰りたい。かくして週末旅行のいつもの相棒、金曜夜のフィンエアーAY744便を使って、今週はオスロに行く計画を立てることにした。

頭をよぎる不安は、3月に入って頻発しているヘルシンキ空港勤務者によるストライキフィンエアーは実際の当事者ではないけれど、受託手荷物やケータリングのハンドリングに影響が及んで、ちょうど1週間前の金曜日である2017年3月10日にはフィンエアーの欧州線100便以上が欠航する事態に。

その一方で今週の火曜日にも予定されていたストは回避され、とすると直近での確率は50%。ストは労働者が手にするれっきとした権利で、必要以上に忌避するつもりはないし、リルートやリスケのようなイレギュラーで不可抗力のイベントに左右されるのも面白いと感じるときもあるけれど、予約したホテルにたどり着けずデポジットだけが引き落とされてしまったり、乗り継ぎに失敗して休み明けに会社に行けなくなったりするような事態になるのはできれば避けたい。果たして3月17日、金曜の会社帰り、私は無事に飛行機に乗り込むことができるだろうか?

[Published on: 2017/03/17]

フィンエアー欠航で、遅延補償を申請した話

事の発端

話は2016年の夏まで遡る。フィンランド西部を旅行していた私はレンタカーでヘルシンキに戻り、同じ日の飛行機でワルシャワへと帰るはずだったのに、フィンエアーの機材トラブルでフライトがキャンセルされて足止めをくってしまい、やむを得ずヘルシンキに1泊というアクシデントが起きた。そのときしたこと&受けた対応について、忘れないうちにメモ替わりに記しておきたかった。

なかなか出発しない

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17:20 ヘルシンキ発のフィンエアーAY743便。けれどもドアが閉まっても出発するそぶりを見せない。予定時刻をだいぶ過ぎたところで、メカニックが2人乗り込んできて操縦室のドアを開け、何やら作業をし始める。さらにアナウンスでテクニカルな問題が起きたことを告げる説明がある。30分ほどかかった後、19時ごろには再び滑走路へと動き出した。トゥルクから運転して疲れが溜まっていた私はようやく安堵して、これで短い休暇も終わり、明日から仕事かと、うとうと船を漕ぎ出した。zzz…。

着陸の衝撃で再び目が覚める。もうワルシャワに着いたのかな?でもいつもの見慣れた景色とは少し違う。滑走路の向こうに森が見える。ここはワルシャワじゃない。何が起きたのか、寝起きの頭では把握できなかった。誘導路に向かう飛行機の窓からターミナルの建物と「Helsinki Airport」の文字を見て、またヘルシンキに戻ってきたことだけは理解した。

ヘルシンキへまさかのUターン

操縦席から詳細な原因報告。「スポイラー*1の動作が不調で操縦に影響がある」とのことだった。後日Flightrader24で確認したところ、バルト海上で引き返してきたらしい。目的地まであと半分の地点までは飛んできていたのに…。代替機が手配されるのか、それとも欠航になるのか、機長の早口のアナウンスがよく聞き取れず、この時点ではわからなかった。時間はすでに20時半を周っていて、本来ワルシャワに着いている時間。

スポットに着いても機内でしばらく待たされた後、ようやくランプバスが来る。そのまま到着フロアに運ばれてきたので、「ああ、代替機の手配はもう付かないんだな」という事実を察する。こうなったら他社便への振り替えか、翌日の直行便で帰国か、どちらかの選択肢になるはず。でも時間はもう21時前、この時間に出発するフライトの大半はフィンランド国内線しかなく、ワルシャワへ今日中に帰るのは絶望的だろう。到着ロビーではキャンセルになった便の乗客は2階の乗り継ぎカウンターに進むように指示していた。案内通りに向かった25番ゲート前の乗り継ぎカウンターはもう長蛇の列。これだと1時間以上かかるかもしれない。この光景を見て困惑していた最中、スタッフが誰かに1階(2A出口)のバゲージクレームの窓口でも対応が可能な旨案内していたのを小耳に挟み、小走りで出口へと急ぐ。

カウンターでの振り替え交渉

1Fのバゲージクレームのカウンターではまだ3つの窓口が空いていて、ラッキーなことにまだ2~3人しか並んでいない。待ってるうちにこちらにも続々と人が詰めかけてくる。すぐに順番が来て、受付の女性に相談。振り替え作業自体は専門のオフィスで手配しているのか、わりとスムーズに代替案が出てきた。「今日乗り継ぎではもう帰れないわ。明日の直行便も満席なの。」と最初に宣告があり、提示された案は、今夜はヘルシンキの空港近くのホテルに泊まり、明朝ドイツのフランクフルトまでフィンエアー、さらにLOTポーランド航空に乗り継いでワルシャワに戻るというもの。朝8時にヘルシンキを出発しても到着は正午過ぎ。予想外の事態で会社を半休することになってしまうが、粘って交渉してもいい解決策が出てくる気配もなく、ここは素直に受け入れるほかない。隣で交渉中の中年女性は「明日午前中に病院を予約してるのよ!」と息巻いていたが、AYの責任だし気持ちはわかるものの、こんな状況だとプライベートジェットを飛ばすくらいしか策はなく、早々とあきらめるが吉。フランクフルトではなくミュンヘン経由を打診されている人たちもいたけれど、いずれにせよ「∠」の字形にポーランドを通り過ぎて、ドイツから戻ってくるという非効率なルートではある。

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代替便用のeチケット*2、HEL-FRA間の搭乗券、それに夕食と朝食付きを明示したホテルのバウチャー。宿泊先には、Holiday Inn Helsinki - Vantaa Airportが指定されていた*3。FRA-WAW間の搭乗券は、フランクフルトのチェックインカウンターで受け取ってほしいとの指示。

www.ihg.com

ホリデイインホテルへ

手荷物をピックアップし、さきほどの女性の案内にしたがって、ヴァンター空港近隣のエアポートホテルを巡回するバスの停留所へ移動。ワルシャワへ行くはずだったかなりの数の人がホリデイインへ向かうようで、巡回バスが来るのを待っている間にも人がどんどん押し寄せる。もちろんバスも満員、押し合いへし合いだった。「これはチェックインにもかなり時間がかかるな」と嫌な予感がした私は、申し訳ないと思いつつ出口扉付近にスペースを陣取って、バスがホテル前に着くやいなや小走りでフロントへと向かってチェックインの手続きを依頼する。

足止めをくらい泊まることを余儀なくされたこの手の人たちの対応にフロントも慣れているのか、チェックインもスムーズで、夕食券と朝食券を一緒に手渡される。アサインされた部屋はツインルームの駐車場ビューだけれど、数時間のエアポートホテルに贅沢を求めても仕方がない。荷物を置いてすぐに1階のレストランへ。フロアスタッフも2人だけでてんてこ舞いの様子、注文を受けてもらうだけでもかなり待たされた。夕食券を持参の人専用のメニューがあるらしく、選択肢はなし。飲み物も有料。さらに結構長い時間が経って出てきた料理は、豚肉のカレーソース煮込みとライス&温野菜添えのワンプレートで、無料だと思えば十分満足。食べ終わって出る頃には、レストランの入口も夕食券を持った人たちで既に長蛇の列になっていた。

部屋に戻って、事情説明と半休を取る旨会社の上司にメールを送信したついでに、フランクフルト発のLO便のオンラインチェックイン。web上で座席の事前指定と、スターアライアンスなのでANAマイレージ番号に書き換える。ホテルのサウナはまだ開いていたけれど、もう23時。疲れが限界に達したこともあって寝る。zzz…。

フランクフルトでまたもや遅延

翌朝は6時起き。朝食券をもらっていたけれど、ギリギリまで寝ていたかったので朝食はパス。ロビーでオレンジジュースだけ飲み干して、急ぎ空港への巡回バスに飛び乗った。あとは決められた通り粛々と家に帰るだけ。ヘルシンキからフランクフルトまでは何事もなく順調。ラバトリー近くで会話したクルーは昨晩のワルシャワ線が欠航になったことも知っていて、この便にも乗り継いでワルシャワまで行く人がたくさん乗っているのだと教えてくれる。

この行程での最大の難関は、世界有数の巨大ターミナル、フランクフルト空港での乗り継ぎ。ワンワールドフィンエアーが到着するのは、規模の小さなターミナル2。かたやスターアライアンスLOTポーランド航空が出発するのはターミナル1。ターミナル間は歩いていける距離とは言えず、Sky Lineと呼ばれる無人運転シャトルか巡回バスに乗って移動しなければならない。シェンゲン圏なので出入国審査が不要とはいえ、セキュリティチェックもあるし、1時間半の乗り継ぎ時間は少しばかりタイトで不安だった。

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数分の遅れでフランクフルト空港に到着。10年ぶりくらいに降り立ったターミナル2は勝手が分からず、Sky Lineの乗り場を探すのにも時間がかかりそうで、到着ロビーから出て見つけた巡回バスに飛び乗る。この時点でLO便の出発までもう1時間を切っている。ターミナル1の出発フロアに飛び込むと、フランクフルト空港の名物、パタパタ式の出発案内ボードがふと目に入った。《LO382 時間変更》…1時間10分の遅延になっている。緊張が解けて、へなへなと座り込みたい気分。それと同時にフライトを登録していた「CheckMyTrip」のアプリからもディレイのアラートが携帯に表示された。

https://www.checkmytrip.com/www.checkmytrip.com

ルフトハンザが代行するLOTのカウンターでチェックインの手続き。eチケットに加えてバゲージクレームタグも提示するよう求められ、スーツケースが確実に積み込まれるようシステムに登録してくれた。アライアンスが違うこともあって、手動で登録しないと情報がうまく共有できないよう。結局1時間半くらいぶらぶらして暇をつぶした後に搭乗。半休で間に合うつもりが、会社には15時前に着く始末だった。

「EU 261」の補償を受けるには?

もしヨーロッパ旅行で飛行機の到着が長時間遅れたりフライトがキャンセルになってしまった場合、「EU規則 261/2004」という決まりに基づいて航空会社からホテルを手配してもらったり、金銭による補償を受けられる可能性がある。対象になるかどうかは、ざっくり言うと「目的地までどのくらい距離があって、かつ何時間以上出発/到着が遅れたか」 *4で決まる。

eumag.jp
http://www.lufthansa.com/cmn/ja/passenger-rightswww.lufthansa.com

日本語でのリファレンスはまだ少ないけれど、たとえば駐日欧州連合代表部やルフトハンザ航空の日本語Webサイトにある案内が参考になる。しかも、これはLH便だけに適用される社内規定や約款ではなく、拘束力があるれっきとした「法律」なので、EU圏で営業する航空会社や、JAL/ANAのような非EU所属でもEU圏を出発するフライトであれば、基本的にはすべての航空会社に適用される決まりがある。たとえLCCで5ユーロのチケットを買っても、正当な理由と認められればこの規則に基づいた対応を要求できる(渋られたり、対象外だと突っぱねられる可能性はあるけど)。こういう点、EUは消費者保護の仕組みがとてもしっかりしている。

気を付けておいた方がいいのは、フライトの遅延やキャンセルの理由によっては補償の対象外になるということ。大雪や強風のような悪天候や第三者のストライキなど、不可抗力とみなされる理由では補償が下りない。去年の3月、エールフランスでパリに向かおうとしたとき、パイロットが食中毒にかかり半日出発が遅れた」というケースに遭遇。同じステップで補償申請をしたところ「例外的な状況」と扱われ認められなかった。今回のような機材不良だと、航空会社責任となるので申請する権利が認められる。他にもいろいろ制限事項があるので熟読が必要。

補償を受けるまでのステップ

EUのwebサイトから書式をダウンロードして郵送する方法もあるけれど、大手の航空会社だとたいていクレーム専用のフォームがあるので、「EU 261」に基づいた補償申請をすることと、航空券番号やリファレンス番号などの詳細を記入して返事を待つことになる。受理番号が記された自動返信は返ってきたものの、1週間待っても音沙汰がない。業を煮やした私はもう一度問い合わせをする。フィンエアーの場合はチャットやfacebooktwitterカスタマーサービスの連絡先があって質問を受け付けてくれる。今回はfacebookメッセンジャーでコンタクトしたところ、補償手続きの担当部署に照会してもらい、「なぜか回答不要の意見用のフォルダに振り分けられてたよ、ごめんなさい。」との返事が来て拍子抜け。

その後はweb上で専用のフォームで交渉のやりとりを続ける。先方からのメッセージには、フライトがキャンセルになったことの謝罪と、今回のキャンセルは補償の対象になること。そして受けられる補償の選択肢は2つ。HEL-WAW線の場合、「250 eurの現金」か、フィンエアーのみで使える1年間有効の「350 eurのバウチャー」

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今後もフィンランドに旅行する計画はあるので、350 eurのバウチャーを選択。すぐにメールでコードが記載されたバウチャーが送られてきた。ユーロ圏に住んでいる人であればwebで航空券を購入したときに割引として差し引くことができるし、ユーロ圏に住んでない人でも、フィンエアーのカスタマーケアに電話すればバウチャーを使って航空券を購入することができる。ユーロ圏に住んでいない私は半年後、バウチャーを使うことに決めて、フィンエアーに電話をかけた。電話越しで番号や氏名、旅程などの予約情報を伝えるのは面倒だけれど、聞き取りやすいゆっくりとした英語を話すコールセンターの男性は、こちらのぎこちない発音も意に介せずサクサクと処理してくれ、無事に航空券を買うことができた。

まとめ

日本からの海外旅行者の多くは、旅行傷害保険に加入していると思うので、契約内容によってはそれを使って補償を受けることもできる。ただ、クレジットカード付属の保険だと航空機遅延については契約の対象外になっているケースもあったりする。あまり航空会社は大っぴらには告知しないけれど(告知の義務はあって、自動チェックイン機でもそうした注意書きが表示されたりする)、がっかりする前に、こんな制度が適用されるかもしれないことを頭の片隅に入れておいても損はないかなと思う。なお、旅行保険に加入している人でも申請できるのはもちろんのこと。

[Visited on: 2016/07/18-19]
[Published on: 2017/03/16]
[Revised on: 2017/03/18]

*1:両翼に付いている空気抵抗を制御する部品のこと。

*2:とはいえボーディングパスの用紙に印刷してあるので、全然それっぽく見えない。

*3:以前日本線のクルーと話す機会があったとき、「私たち、ヘルシンキではホリデイインに泊まるんですよ。」と言っていたのを思い出した。AYクルー御用達なのだろうか。

*4:ルフトハンザのwebサイトを見ると「出発が何時間遅れたか」と書いてあるけど、これはEU発の視点で書いてあるからだと思う。(2017/03/18追記)

ストックホルム「Imouto」

Imouto

空の色がちょうど藍から黒へと変わろうとする時間、長い昼寝から目覚めた私は、よっこらせと重い腰を上げて宿を後にしレストランへと急いでいた。24時間券をチャージしていたのでバスに乗ってもよかったけど、どうせ1区間足らずなので、腹ごなしがてらゆっくり散歩しながら行くことにする。歯医者の名前がある建物の1階に入るとクロークがあり、コートを預かってもらって予約の旨を告げると、名前を言わなくとも承知している様子だった。

2階に案内されてEsperantoという名前のレストランの中を突っ切ると、衝立で仕切った角の向こうにお寿司屋さんのカウンターと9席の椅子が現れる。つまりレストランの中にもう一つ小さなレストランがあるというわけ。残りの8席は4組のペアで既に占められていたのを見て、確かに1人でレストランに来るという習慣は一般的ではないのだろうなと再認識して、少し身構える。たとえそれが寿司屋のカウンターであろうとも。ちょうどつけ場の全体がよく見える、真ん中あたりの席を確保してもらっていた。壁際からは貫禄ある佇まいのミシュラン坊やがとぼけた面持ちでこちらを見下ろしている。

メニューは1200 nok(ノルウェークローネ)の「おまかせ」のみ。予約も18時と21時の1日2回限定。すべての客に同じ順序でサーブされる。着席して飲み物とアレルギーの有無を聞かれたときには既にコースはスタートしていた。最初の一杯には、ストックホルムの地ビールメーカーOmnipolloがこのレストラン向けに作っている特製のクラフトビールを注文してみる。ビールの種類については不勉強だけれど、ペールエールみたいに香り高い。

先付けには全部で6品。「うずらの卵」、「茄子の炙り海苔巻き」、「フィッシュスキンの飛魚子包み」、「帆立刺身」、「スモークしたカニの湯葉包みキャビア添え」、「キノコのお茶に浸した自家製絹ごし豆腐」の順番に、それぞれのゲストのタイミングに合わせて出される。プレゼンテーションもすばらしく、一つ一つのお皿にしっかり時間をかけて丁寧に作っていることがよくわかる。まるでシウマイのような湯葉包みに付いてきたポン酢を除いては、ベースの味付けはどれも最低限で、できるだけ素材そのものの味を楽しんでもらいたいという意図が理解できる。辛口の日本酒をお任せでお願いすると「希土」を勧めてくれる。最初にテイスティングさせてから、ワイングラスに注いでくれるので、日本酒とはまた違ったお酒を飲んでいるような少し不思議な気分。

続けて13貫のお寿司のコース。レモンソール、赤魚、ターボット、パイクパーチ、白身魚ランプフィッシュキャビア、赤座海老、イワナ、アンコウ、ニジマス、ニシン、パイクパーチ&赤魚のアラの炙り、イクラの手巻の順番。考えてみれば、こちらで手に入る魚は日本の市場とまるっきり条件が違うわけで、それを制約と捉えずに可能性へと転換しているのがすばらしい。赤酢を使ったシャリ、鮫皮を貼ったおろし器で擦る本わさび、煮切りを刷毛で塗って付け台に置くなど伝統的な江戸前寿司のスタイルに則っている一方で、淡水魚を使ったり、バジルオイルで風味を付けたり、いくつかのネタは生臭みをとるためかバーナーで軽く炙って供しているのもあり、どれもが新鮮な体験だった。お味噌汁の代わりにランゴスチンのお出汁が出てきたり、味の評価はすべて満点とは言わないまでも、繊細な味付けと食材のいろいろな可能性を引き出そうという試みには驚かされるばかり。

隣のご夫婦は「Esperantoには来たことがあるけど、Imoutoは初めて」とのこと。弟さんが日本に勤務されている関係で、日本へも旅行に訪れたことがあると話していた。一番思い出に残ったのは京都の旅館で、畳に座ってしゃぶしゃぶを食べたことだったのだそう。「Globefishは食べたことある?」と質問されたものの英語が理解できず、「あの毒のある魚…」という説明でようやくフグだとわかり、「しゃぶしゃぶにしてもお刺身にしても美味しいですよ」と返答する。話の流れで大将、いやメインシェフも交えて少し会話。日本語は通じないが東洋系の顔立ちのシェフで、日本人が経営するスウェーデンの和食店で経験を積んできたのだそう。

京都の煎茶と一緒にバニラアイス、ビートのファッジ、味噌クリームのミルフィーユと最後にデザート3品が出て、もうお腹がいっぱいで苦しかったのだけれど、「食後酒に梅酒はどう?」と勧められ、ついお願いすることに。隣のカップルの女性が興味深そうな顔をしていたので「プラムのワインです」と説明する。ポーランドでも現在チョーヤが大攻勢をかけていることだし、欧州人たちにも梅酒はどんどんメジャーな存在へと昇格していくだろう。

私はただの食いしん坊なだけで食通ではないし、普段高級な寿司屋に行く機会もあまりないので、「寿司とはこうでなければ」という固定観念があまりない。回転寿司でも、立ち食いの寿司屋でも、味覚の審級だけクリアしていれば、環境や作法に頓着なく素直に美味しいと思う方だ。だから、この伝統的な下地もあり現代風に洗練されてもいる、ハイブリッドないわば「ヌーベル・スシ」は日本食なるものを再定義するようで面白いし、味覚が揺さぶられるような新しい体験ができれば何だって十分なのだ。

そしてここでは、そんな難しいことを考えなくても、カウンターに囲まれた小さな空間で立ち上る、見知らぬゲスト同士の親密な空気や一体感のようなものに触れながら、楽しい食事のひとときを過ごすことができた。それだけでも十分得難い経験だろう。さながら秘密のイベントに参加する観客の一人になったような、あっという間の2時間半が過ぎた。

[Visited on: 2017/03/XX]
[Published on: 2017/03/15]